コンソーシアム概要
プログラム名称 | 産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA) OI機構連携型 |
---|---|
研究領域名称 | 目的指向型材料科学による全固体電池技術の創出 |
共創コンソーシアム名称 | 全固体電池技術共創コンソーシアム |
幹事機関 | 国立大学法人 東京工業大学 |
領域統括 | 東京工業大学 科学技術創成研究院 特命教授 菅野 了次 |
OPERA事業とは
産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)は科学技術振興機構(JST)の事業です。東京工業大学は2019年度にOI機構連携型のOPERAとして採択されました。実施期間は5年間です。
OPERAは産業界との協力の下、大学等が知的資産を総動員し、新たな基幹産業の育成に向けた「技術・システム革新シナリオ」の作成と、それに基づく学問的挑戦性と産業的革新性を併せ持つ非競争領域での研究開発を通して、基礎研究や人材育成における産学パートナーシップを拡大し、我が国のオープンイノベーションを加速することを目指すプログラムです。
民間企業から拠出される民間資金と同額までをJSTがマッチングファンドとして支援します。このマッチングファンドにより、新たな基幹産業の育成の核となる革新的技術の創出を目指すとともに、新たな基幹産業の育成が図れる持続的な研究環境・研究体制・人材育成システムを持つプラットフォームを形成することを目的とします。
研究概要
研究課題1:超イオン導電体の高度解析技術開発
全固体電池のキーテクノロジーである固体電解質の材料開発において、現在、液系リチウムイオン電池で使用されている液系電解質の基本性能をすべての面で凌駕し、特に重要な性能指標であるイオン導電率において、液系電解質を大きく超える性能を有する革新的な固体電解質材料の数年以内での実用化に資する材料技術の開発を目指します。
研究課題2:次世代全固体電池の実用性能指針と設計パラメーターの解析
全固体電池は、既存の液系リチウムイオン電池と比較して、高いエネルギー密度、高入出力特性、広い温度領域での作動、および安全性の向上等の高性能化が期待されていますが、未だ実用電池として実証された事例はありません。本取組みでは、次世代蓄電デバイスとして最も期待される高エネルギー密度において、 数年後に現状を大きく超えることを目指します。
研究課題3:全固体電池の多様なデバイスへの応用開発
全固体電池は既存の電池と比較して、幅広い温度領域で作動する、固体なので積層化が可能、 液漏れ等の心配がなく安全性が高い、10 年を超える長期間で駆動できるなどの特長を有しています。このような特長を活かして、これまで想定しえなかった用途への拡大が期待されています。本取組みでは、全固体電池の用途を大幅に多様化するキーテクノロジーとして、 幅広い温度領域で作動する全固体電池の技術開発について、 数年以内に目処をつけることを目指します。
研究課題4:全固体電池本格展開のための技術ロードマップの検討と課題の解決
全固体電池は革新的な蓄電デバイスとして、様々な分野での利用が期待されます。しかし、技術の核となる超イオン導電体が発見されてから未だ日が浅く、解決すべき技術開発課題は数多くあります。今後、全固体電池の実用化を効率的に推進するためには、技術の現状を正確に踏まえた上で、多様なニーズからの要求仕様を実現するための技術課題とその解決への取り組み、及び解決見通しを時系列で整理した技術ロードマップの策定が有効と考えられます。本取組みでは、研究開発の進展状況を反映した技術ロードマップの更新を継続し、数年以内での確定版の完成を目指します。